LEVEL-30 ただ生きず、どう生きるか
松田 泰知
- 宮城県名取市出身。
- 新潟大学工学部卒業後、大手自動車メーカーに就職。
- 結婚後、宮城県富谷市に数年暮らす。
- 長男の誕生を機に大衡村へ移住。
- 2020年10月に富谷塾に入塾。
- 『MADE IN OHIRA』チームを組織し、大衡村の魅力をSNSで発信。
- 本を活用した朝活『GOOD MORNING MEETING』を主催、noteにて振り返りをまとめる。
- 第1回富谷塾長会議、Passion 富谷塾 U30に参加。
- 週2回ラジオ配信。他、親子ラジオを不定期配信。
松田 志歩
- 三重県出身。
- 新潟大学歯学部卒業後、就職。
- 結婚後、宮城県富谷市で数年働く。
- 大衡村に移住後、夫とともに富谷塾に入塾。
- 2021年3月ハンドメイド作家として開業 。
- 現在2人の子どもを育てながら、制作・販売。
- 第1回∞妄想大作戦 with 富谷塾にて出店。
- 第1回富谷塾小商いブランディングコース受講。
「Ikigai」「幸せ」ってなんだ?
「根気よく続ければ定年まで安定して暮らせる」
「若いうちに転職・起業して収入上げてセミリタイアするほうがいい」
SNSが身近になってから世代による考え方の違いは、よりハッキリしてきた。どの意見が正しいというわけではないが、どれもどこか腑に落ちない。
安定した収入か、条件にあった仕事か。
それとも、やりがいを求めるのか?
それは自分にとって『幸せ』?
そもそも『幸せ』ってなに…。
ぐるぐると頭のなかで繰り返される問答に終わりはない。
情報がありあまる世の中で、本やヒトとの対話を通して、生きがいや幸せをのヒントをみつけた松田泰知さん。
普段感じていたモヤモヤは、
“賢人の知恵(本)”ד第三者の視点(家族や友人)”
+熟考することで、ハッキリとした答えとなっていった。
――“安定”からの自分視える化――
数年暮らした富谷の社宅から、大衡村の新居に引っ越す。学生時代に出会った最愛の人と結婚し、大切な家族も増え、人生で一番大きな買い物もした。
30歳までに、大きなライフイベントがだいたい落ち着き、なんとか生活も安定してきた泰知さん。
大衡村の自然豊かな景色は、のどかで心地よく、子どもをのびのびと育てるのに最適だった。
家族で過ごす時間や、働く時間を過ごすうちに、ふと人生を振りかえる。
自分がやってきたことや考えてきたことが、他の誰かの幸せにつながったらもっといいのではと考えるように…。生き方や働き方を再考すると、本当に自分がやりたいことが少しづつ視えてきたのだ。

――新潟にあった“本を売らない”本屋さん――
思い返せば、学生時代はバスケットボール部やハンドボール部に一所懸命だった。ある意味、部活というひとつの世界に生きていたのかもしれない。
そのためか就活を始めてから、年代の異なるヒトとの出会いはとても新鮮だった。また、本から得られるたくさんの知識も、泰知さんにとって視野をひろげる重要なモノとなる。
それは、一人暮らしの家から徒歩数分の場所にあったちいさな本屋。
いつも通っていた道にあったが、就活を始めるまでの3年間、その存在に気づかなかった。
はじめて本屋に入ったとき、そこは他の本屋とは違う不思議な雰囲気…。年齢性別バラバラの人々が、本に書かれていた知識や物語のはなしをする。
内容について意見をかわすことで、理解を深めていたのだ。
本を売るというより、“本で人が出逢う”場所。
地域を巻き込み、さまざまな学びや気づきの場を生み出すその光景は、泰知さんにとってとても印象に残る。
『本の偉大さ』や『他者との関わりの大切さ』にあらためて気づいた泰知さん。仕事も家庭もおちついたこともあって、再びたくさんの本を読むようになった。
そして、自分なりの考えを、妻に聞いてもらい、noteにも書き残す。
さらに、まちづくりや地域交流などを目的とした宮城県内のイベントにも、目を向けるようになった。
私も入塾するの?「え…なにするの?」
新しい場所、新しい家で、家事・育児をこなすだけで、あっというまに時間が過ぎていく。松田志歩さんは結婚を機に、宮城県富谷市で4年ほど暮らしていた。
大衡村の生活に不満はない。
しかし、パン屋さんやカフェが多い富谷が気に入っていたぶん、ものたりなさがあった。
そんな日々を過ごしていると、夫から『富谷塾』の話を聞きにいこうと誘われる。
最近になって、「人があつまる活動に参加したい」と耳にしていた。誘われるがまま、興味がある地域のイベントに一緒に行ったこともあったが、
(富谷塾…?な、なんだろう汗)
よくわからないが、とりあえずいつものように夫の話に耳を傾けた。
聞き役、付き添い役でいるつもりでいた志歩さん。自分からすすんで富谷塾のコミュニティに関わることには戸惑いがあった。そもそも富谷塾で何か始めたいという気持ちがなかったため、「入ってこうなる!」という想像ができなかったのだ。
――誰でも入塾できるんですか?それなら――
当時、泰知さんの会社は副業が禁止だったため、富谷塾に入塾できないと思っていた。
しかし、富谷市観光課職員に「副業にはあたりません。費用はかからないので、入ってみるだけでもどうですか?」と言われる。それを聞いた泰知さんは、もちろん入塾書類に記入した。
一方、夫の代わりになら、と考えていた志歩さん。
「私が富谷塾に入る意味があるのだろうか…」と思ったが、職員の笑顔と、夫の誘いに流されるまま入塾していた。
それから、気になる交流会やオンライン講座など、積極的に参加する泰知さん。楽しそうな夫の横で、志歩さんは“自分が”何を始めたいか考える。
富谷塾で出会った人や、コンシェルジュ、そして夫とも相談した結果、決めたのがハンドメイド作家。もともと、パンやお菓子の手作りが好きで、裁縫も得意なほうだったため『モノづくり』をしようと考えたのだ。
〈 仕事で忙しいママたちのために、子ども用品の準備をお手伝いする〉
という想いで、温かみのある巾着袋などの販売をスタート。
参加した小商いブランディングコースでの学びを活かし、フリマでも出品。売れ行きもよく、反響もいいため、やりがいもあがっていく。

小さくはあるが、開業してから1年がたち、自分の成長を確かに感じていた。
家族+仕事+〇〇=More Happy
妻が富谷塾を有効活用している様子をみて、誘ってよかったと思う泰知さん。
やりがいをみつけた人はキラキラしている。
その人たちの本業は、人生の多くの時間をしめる。それが『生きがい』や『幸せ』に大きく関わるのではないか、と考えのだ。
『生きがい』や『幸せ』は、お金のためだけでも、社会貢献のためだけでもない。
しかし、それらを就職活動の時にみつけるのは難しい。むしろ気づかないまま働きつづけることがほとんどかもしれない。
富谷塾であれば、それらを見出す小さなきっかけがたくさんあると実感した。
――考えながら行動し、成長していく――
富谷塾での出会いや様々なきっかけから、泰知さんの人のつながりは徐々に広がっていく。
読んだ本の共有と問いを繰り返していく朝活『GOOD MORNING MEETING』を開催。
大衡村の魅力を伝えるチーム『MADE IN OHIRA』を結成。
ドローンの空撮が得意な富谷塾生から協力を得て、YouTubeで大衡の豊かな自然を配信することができた。
そのほかにもSNSで発信し、大衡村がよりよくなるために活動する。また、富谷塾コンシェルジュから紹介された『Startup Weekend』に参加するなどして、起業家目線で考える経験も身につけていった。
さらに、ラジオ配信も始めている。
内容は冒頭に既述したように、30歳目前に20代後半から考える「自分が本当にやりたいこと」について。子どもとのラジオ配信も不定期ではじめた。家族との日々の会話も学びや気づきだと考えている。
そして、参加した富谷塾の取り組み、コンシェルジュの人を動かす力に、泰知さんはとても良い影響を受けている。人の話を聞き、成長を促すため、潜在的能力を引き出すコーチング力は、職場でも、大衡村でも役立てたい。
Second base「大衡塾」
富谷塾で人と出会い、目指す目標が決まった泰知さん。
富谷塾で学び、気持ちによりそったモノづくりを始めた志歩さん。
夫婦それぞれの場所で、それぞれが取り組む。家に帰れば、お互いが学んだことを共有する。これから人生の半分以上を夫婦で歩んでいくからこそ、家庭や仕事だけではない場所で、お互いが成長することは大切だ。
―この先ずっと暮らしていくから―
―ココをよりよくしたい―
「大衡村の魅力を伝える。」
そんな泰知さんの考え方がある一方で、なかなかうまくいかないこともある…。
苦戦している夫のために、これからも聞き役となり寄り添いたいと思う志歩さん。個人的には、富谷塾で学んだことを活かし、“素敵なカフェやパン屋”を大衡村につくる野望もある。
夫婦で助け合いながらも、それぞれのフィールドで、同じ目標のために進んでいる。
泰知さんは、大衡村でまた新たなプラットフォームづくりをはじめていた。職場や地域でコーチングをして、社員や暮らす人々の「本当にやりたいこと」も引き出す。
会社×地域×行政がまざりあう
ゆるやかにつながるコミュニティづくり。
これから目指す、人々が生きがいや幸せを見つけるきっかけとなる場所づくりが、泰知さんの生きがいや幸せとなるだろう。
――いつか、あの本屋や富谷塾のように、人があつまる場所を目指して――
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